OpenAI、常時稼働エージェント「dots」を提供開始――企業では管理者が有効化するまで既定オフ、GPT-6.1 Solは前版と同じ入出力単価
※本記事は2026/10/01時点での情報を基にしており、閲覧時点では内容や状況が変わっている可能性があります。
OpenAIは9月29日(現地時間)の開発者会議「DevDay 2026」で、ChatGPT・Codex・モデルにわたる「20を超える主要な発表」を行った(原文は英語、編集部訳)。主な発表の一つが、自前のクラウドコンピューターで24時間働くエージェント「dots」だ。
dotsはProとBusiness Premiumで最初の1体を追加料金なしで提供し始め、Enterprise(Edu・Healthcareを含む)では管理者が有効化するまで既定でオフになっている。
同時に公開したGPT-6.1 Solの5分の1という価格はGPT-6 Astra比で、前版のGPT-6 Solとは入力・出力の単価が同じだ。
DevDay 2026で発表された常時稼働の「dots」
OpenAIは総括ページで、ChatGPTを人とエージェントが協働する場として開き、週12億人の利用者に開発者が直接体験を届けられるようにすると説明した。その主な発表の一つがdotsである。
dotsはGPT-6 Astraを搭載し、自前のクラウドPCで24時間働く
発表ページはdotsについて「GPT-6 Astraを搭載して自前のクラウドコンピューターを持ち、フィードバックから学び続けて、利用者の目標に向けて24時間働ける」と説明している(原文は英語、編集部訳)。
dotはプラグインを通じて4,000を超えるアプリにつながり、利用者はChatGPT・Slack・Teamsのどこからでも話しかけられる。作業には自前のブラウザと接続済みのアプリを使い、利用者はいつでもdotのコンピューターを開いて作業内容を確かめられるという。
ローカルPCへの接続は任意で、初期設定はオフ
利用者のPCとその中身は、利用者が接続を選ばない限りdotから切り離されている。Help Centerによると、ローカルコンピューターへのアクセスは任意で、オフの状態から始まる。
利用者がdotとやり取りしていない間も、dotは手伝えることを背後で探す。OpenAIはこれを「proactive research」と呼び、使えるツールを読み取り専用に制限した。この作業では、メッセージの送信・アプリ内容の変更・ブラウザやPCの操作はできない。
dots以外の発表はCodex・API・チームの協働に及ぶ
開発者向けでは、Codexがクラウドでも動くようになり、Lunaの知能を選択式の判断に絞るDecisions APIが限定プレビューで始まった。
当メディアが9月11日に報じたAgents APIはComputer use(ソフトウェアの操作)に対応し、AWSと共同で用意したBedrock Managed Agentsの土台にもなった。
業務向けでは、チーム・ChatGPT・dotが知識を共有する「ChatGPT Space」、人とエージェントが共同で編集する文書「Pages」、SlackとTeamsで呼び出せる@ChatGPTが加わった。
ほかに「Sign in with ChatGPT」「OpenAI Marketplace」と、今秋プレビュー予定のPrivate Inferenceも発表された。
dotsはProとBusiness Premiumで開始、企業は既定オフ
dotsの提供は、プランと地域によって条件が分かれる。ProとBusiness Premiumでは9月29日から順次提供が始まり、Enterpriseは管理者が操作しなければ使えない状態で始まった。
Proは欧州経済領域・スイス・英国を除外、Business Premiumは全対応地域
Help Centerによると、Proでの提供は「欧州経済領域(EEA)・スイス・英国を除く市場」が対象だ。Business Premiumは「ChatGPTが対応する全ての地域」で使える(いずれも原文は英語、編集部訳)。Release Notesも、Proの除外地域を同じ3つとしている。
この除外リストに、日本は入っていない。ただし本記事の確認範囲では、日本を名指しして提供を明記した一次情報は見つかっていない。利用できるのは18歳以上に限られる。
Enterpriseはベータで、管理者が有効化するまで既定オフ
Enterprise(Edu・Healthcareを含む)でのdotsは、ベータの扱いだ。総括ページは「ワークスペースの管理者が有効化すればベータを試せる。既定ではオフ」とした(原文は英語、編集部訳)。Help CenterとRelease Notesも、Enterpriseでは当初オフとする点で一致している。
最初のdotは追加料金なし、利用枠の扱いは2つの記述が並ぶ
最初の1体は、ProとBusiness Premiumのプランに追加料金なしで含まれる。将来は、dotを増やしたり、月間の作業量を引き上げたりできるようになるという。
利用枠については、2つの記述が並んでいる。発表ページは「dotとの会話はChatGPTの利用上限に数えない。CodexやChatGPT Workで作業を開始・管理するよう頼んだ場合は、通常どおり上限に数える」とした(原文は英語、編集部訳)。
Release Notesは「今後1カ月、dotsの利用はPro・Business・Enterpriseのプランの枠に数えない。その後、プランごとの条件を示す」と書いた(原文は英語、編集部訳)。
権限・承認・学習、dotsに任せる範囲を決める設定
dotsに何をどこまで任せるかは、アプリの権限と承認のルールで決まる。OpenAIは、機微な操作を利用者の手元に残す仕組みと、監視による停止の仕組みを組み合わせた。
Custom Rulesは4つの選択肢、auto-reviewが操作を照合
利用者は、dotがアクセスできるアプリを選び、ChatGPTの既存のアプリ管理で権限を扱う。Custom Rulesでは、特定の操作を許可・承認必須・禁止に設定できる。Help Centerが示す選択肢は「尋ねずに実行」「事前承認があれば実行」「実行前に確認」「利用者に引き渡す」の4つだ(原文は英語、編集部訳)。
アカウントに影響する操作や情報を共有する操作は、auto-reviewが利用者の指示・Custom Rules・安全要件と照らし合わせる。これは、そのまま進めるか、承認を求めるか、利用者に引き渡すかを判断する助けになる。
パスワードの変更は常に人の手元、データの完全削除は都度承認の場合も
発表ページは「パスワードの変更のような機微な作業は、常に利用者の手元に残る」とした(原文は英語、編集部訳)。Help Centerは送金も同じ扱いに挙げ、データの完全削除やソフトウェアのインストールでは毎回承認を求められることがあるとしている。
中核の安全要件は、Custom Rulesでも外せない。プロンプトインジェクション(悪意ある指示の埋め込み)への対策について、Help Centerは「リスクを減らすが、なくすものではない」とした(原文は英語、編集部訳)。監視システムが安全上の懸念を検知した場合、dotの作業を一時停止または停止できる仕組みだ。
企業ワークスペースのデータは既定で学習に使わない
OpenAIは、Business・Enterprise・Eduのワークスペースの内容を、既定ではモデルの改善に使わない。個人向けプランでは、dotsの会話と作業を改善に使うかどうかを利用者が選べる。
Help Centerによると、モデル改善をオフにしていても、安全に関わるケースを含む限られた状況では人によるレビューが行われることがあるという。
Microsoftの新Copilotとは閉じている対象が違う
企業では管理者が開けるまで閉じているという点で、dotsは当メディアが9月26日に報じたMicrosoftの新しいCopilotと同じ形をとった。違いは、何が閉じているかにある。
Microsoftでは、Autopilotを含む委ねる仕事の従量課金が、管理者が支出ポリシーを作るまで動かない。閉じているのは課金だ。dotsでは、機能そのものがベータとして、管理者が有効化するまで使えない状態に置かれている。
specialist dotsは企業向けパイロットから、Agent 365との統合も準備
OpenAIは、組織の中で専任の役割を担う「specialist dots」も示した。企業がdotごとに、身元・認証情報・必要なシステムへのアクセスを設定する形だ。
OpenAIは社内で、調達・請求書処理・メールマーケティング・カスタマーサポート・商取引の契約で試験を重ねてきたという。提供は、対象を絞った企業向けのパイロットから始める。
Microsoftとは、specialist dotsをAgent 365のガバナンスとセキュリティの管理に統合する作業を進めている。発表ページに、統合の時期の記述は無い。
GPT-6.1 Solの5分の1はAstra比、前版と同じ入出力単価
dotsと同じ日に、OpenAIはGPT-6 Solの改良版「GPT-6.1 Sol」を公開した。発表の副題は「Astraに近い知能を5分の1の価格で」だ(原文は英語、編集部訳)。ただし、前版のGPT-6 Solとは入力・出力の単価が変わっていない。
入力$2・出力$10はGPT-6 Solと同額、下がったのはキャッシュ入力
発表ページによると、GPT-6.1 Solはエージェント型のコーディング・コンピューター操作・専門業務で「GPT-6 Astraの知能にほぼ並び、価格はAstraの標準の入出力トークン価格の5分の1」だ(原文は英語、編集部訳)。API価格ページの単価(100万トークン当たり・入力272Kトークン以下)は次の通り。
| モデル | 入力 | キャッシュ入力 | 出力 |
|---|---|---|---|
| GPT-6 Astra | $10.00 | $1.00 | $50.00 |
| GPT-6.1 Sol | $2.00 | $0.10 | $10.00 |
| GPT-6 Sol | $2.00 | $0.20 | $10.00 |
| GPT-6 Luna | $0.10 | $0.01 | $0.50 |
Astraとの比は、入力が$2÷$10、出力が$10÷$50で、いずれも5分の1になる。GPT-6 Solと比べると入力$2・出力$10は同じで、キャッシュ入力だけが$0.20から$0.10に半分になった。
当メディアが9月23日に報じた通り、GPT-6 Solは公開時から入力$2・出力$10だった。前版と同じ入出力単価で新しい版を出す形は、9月28日(現地時間)にAnthropicが公開したClaude Sonnet 5.5(単価はSonnet 5と同額)と同じだ。
提供先は文書ごとに書き方が異なり、Chatではまだ使えない
総括ページは、GPT-6.1 SolをAPI・Plus・Pro・Business・Enterprise・Eduで使えるとした。一方、発表ページはChatGPT WorkとCodexでの提供とし、「GPT-6.1 SolはまだChatでは使えない」と明記している(原文は英語、編集部訳)。
Release Notesは、Proから展開を始めてPlus・Business・Enterprise・Eduに広げるとした。APIのモデルIDは gpt-6.1-sol だ。
本記事の確認範囲では、GPT-6.1 Solの発表ページは、当メディアが9月29日に報じたGPT-6.1 Astraの公開見送りに触れていない。
安全性の評価、2つの指標で失敗率はGPT-6 Solより低い
発表ページは、明示された制限の順守や壊れた検索ツールについての透明性で、GPT-6.1 SolはGPT-6 Solより失敗率が低いとした。自動の安全審査を回避しようとする試みは、GPT-6 Sol・Astraと同じく観察されなかったという。
明示的な制限を守るかを試す「Warning circumvention」は、GPT-6.1 Solが23.5%(GPT-6 Solは64.4%・Astraは17.4%)だった。検索ツールが壊れていると利用者に伝えないケースは2.1%(同4.9%・1.5%)で、いずれも低いほど良い指標だ。
OpenAIは、これらの評価は「意図的に難しい状況を試すもので、通常の利用での失敗率を測るものではない」とした。Warning circumventionは「製品で使う完全なシステム全体の安全策なしで実行した」とも書いている(いずれも原文は英語、編集部訳)。
Pro 500とUltrafast、旧条件のPro 200は10月30日に移行
価格の階層は、上の方向にも広がった。月額$500のPro 500が加わり、高速の生成モードUltrafastは別の単価で提供される。新規契約のPro 200は、利用枠が以前より小さくなった。
Pro 500は月額$500、Plusの25倍の枠とUltrafastを含む
総括ページによると、Pro 500の利用枠はPlusの25倍で、Ultrafastを使える。Help Centerの表では、Proは月額$100のPro 100・$200のPro 200・$500のPro 500の3階層で、Ultrafastが含まれるのはPro 500だけだ。
Pro 500のUltrafastは、まずプランに含まれる枠を使い、使い切った後はクレジット残高から引かれる。提供開始の時点では、Pro 100とPro 200でクレジットを買ってもUltrafastは使えない。
Pro 200は新規受付を再開、新規契約の枠は従来より低い
Pro 200は、新規の受付を再開した。Help Centerは、旧条件の対象外となる新規契約の利用枠について、効率が高まっているモデルを反映して従来のPro 200より低くするとした。月額は$200のまま変わらない。
既存の契約者のうち、基準日かその前7日間に契約が有効だった人は、契約を続ける限り2026年10月29日まで従来の枠を使える。
10月30日以降は、低い枠に移る。本記事で確認したHelp CenterとRelease Notesには、枠の具体的な数値は無い。OpenAIのTibo Sottiaux氏はXで、新しいPro 200をPlusの10倍、既存契約の枠を当面20倍と説明した。
The New Stackの報道とHacker Newsの投稿者がOpenAIから受け取ったとして転載したメールは、ChatGPT WorkとCodexの枠がPlusの20倍から10倍に下がるとした。両者は、ChatでのGPT-6 Proの上限も週200通から100通になると伝えている。
Ultrafastの速度は最大8倍、APIの単価は標準の6倍
Ultrafastは、トークンの生成を速めるモードだ。速度について、総括ページは「Codexで最大8倍(毎秒300トークン)、APIで最大6倍」とした(原文は英語、編集部訳)。
GPT-6 Astra UltrafastはAPIと、Pro 500・EnterpriseのChatGPT Work・Codexで提供が始まった。GPT-6.1 Sol Ultrafastは、近く提供される予定だ。
単価は、速度とは別に決まっている。API価格ページでは、GPT-6 Astra Ultrafastは100万トークン当たり入力$60・出力$300で、標準の入力$10・出力$50の6倍に当たる。
APIの仕様書によると、Ultrafastは米国のデータレジデンシーとグローバル処理だけに対応し、EUを含む米国外の地域処理には対応しない。
dotsの既定値・GPT-6.1 Solの単価・Pro 200の枠の3点
今回の発表で、企業での扱いを左右する材料は3つの層に分かれた。
- dotsは管理者が有効化するまで閉じている:Enterpriseではベータで既定オフだ。有効化した後のdotの動きは、Custom Rulesとauto-reviewの既定値で決まる。
- GPT-6.1 Solは前版と同じ入出力単価で、Chatではまだ使えない:5分の1という価格はAstra比で、入出力の単価はGPT-6 Solと同じ$2/$10だ。APIのGPT-6 Astra Ultrafastは標準の6倍の単価で、ChatGPTではPro 500とEnterpriseのプラン内で提供される。
- 旧条件のPro 200は10月30日に低い枠へ移る:一次情報で確認できるのは、従来より低いという点までだ。具体的な倍率はOpenAI担当者の投稿、週当たりの数値は報道と利用者が受信したとして転載したメールが伝える内容にとどまる。
※出典:DevDay 2026 Recap(OpenAI) / Introducing dots(OpenAI) / Introducing GPT-6.1 Sol(OpenAI) / Introducing GPT-6 Sol and Luna(OpenAI) / Addendum to GPT-6 Astra System Card: GPT-6.1 Sol(OpenAI Deployment Safety Hub) / Getting started with your dot(OpenAI Help Center) / Dots privacy, security, and safety FAQs(OpenAI Help Center) / About ChatGPT Pro tiers(OpenAI Help Center) / ChatGPT — Release Notes(OpenAI Help Center) / Pricing(OpenAI API Docs) / Changelog(OpenAI API Docs) / Ultrafast mode(OpenAI API Docs) / Amazon Bedrock Managed Agents(AWS) / Introducing the new Copilot with Home, Code and Autopilot(Microsoft) / Manage usage-based billing for Microsoft 365 Copilot(Microsoft Learn) / Claude Sonnet 5.5(Anthropic) / Pro 200 plan allowance update(Tibo Sottiaux/X) / OpenAI halves $200 plan allowance, launches $500 plan(The New Stack)