SpaceXAI、長時間稼働のエージェント向け新モデル「Grok 4.6」を公開

SpaceXAI、長時間稼働のエージェント向け新モデル「Grok 4.6」を公開

※本記事は2026/08/13時点での情報を基にしており、閲覧時点では内容や状況が変わっている可能性があります。

SpaceXAIは8月12日、新モデル「Grok 4.6」を公開した。長時間動くエージェントと、対話的・視覚的な制作作業が主な用途だ。Artificial Analysisの総合指標は61点で、GPT-5.6 Solと並んだ。前世代と同額なのは非キャッシュの入出力単価で、キャッシュ入力は値上げされた。

8月12日に公開されたGrok 4.6の概要

Grok 4.6はテキストと画像を入力できる推論モデルで、出力はテキストに対応する。公式資料によると、モデルIDは「grok-4-6」で、推論レベルはlow・medium・high・xhighから選べる。既定値はhighだ。

複数の工程をまたぐ作業を想定した設計

公式発表が挙げる用途は、テーマの調査・情報の分析・コードベースをまたぐ作業・アイデアから完成度の高いアプリケーションへの仕上げだ。いずれも工程数が多く、途中で文脈を失いやすい作業になる。

公式発表によると、不慣れな領域を調べたうえでアプリケーションの構成を決め、中核となる操作を実装できるという。さらに、複数回のフィードバックを通じて結果を磨き続ける挙動も示された。作業を途中で手放さない点が今回の訴求点だ。

API・Grok Build・Cursorなどで提供

Grok 4.6はSpaceXAIのAPIで利用でき、Grok Buildでは既定モデルに設定された。Cursorでは全プランの利用者へ提供されている。

APIゲートウェイではOpenRouter・Vercel・Cloudflareが対応先に挙がった。公式発表は、公開から1週間はGrok BuildとCursorで利用枠が2倍になるとしている。

文脈長は50万トークンで据え置き

文脈長は50万トークンで、Grok 4.5から変わっていない。公式リリースノートによると、Grok 4.5のAPI公開は7月8日であり、4.6までの間隔は約1カ月だった。

50万トークンの枠は、長い会話や大規模なコードベースを扱う際の条件になる。ただし、20万トークン以上のプロンプトには長文向けの料金が適用されるため、文脈長と費用は別の条件だ。

Priority Processingは標準料金の2倍

APIには、通常より高いスケジューリング優先度を与えるPriority Processingがある。これは独立した高速モデルではなく、リクエスト時に指定するサービス階層だ。

Priority Processingが適用されたリクエストは、全トークン種別が標準料金の2倍になる。優先処理が認められなかったときは、標準階層として処理・課金される仕組みである。

ベンチマークが示すGrok 4.6の位置

総合指標では先頭グループに入った一方、コーディング系の項目では上位モデルとの差が残った。値が高く出たのは、知識作業を測る評価である。

総合指標は61点でGPT-5.6 Solと同点

Artificial AnalysisのIntelligence Indexで、Grok 4.6は61点を記録した。Grok 4.5の56点から5点の上積みで、GPT-5.6 Sol(max)と並ぶ。上位にはClaude Opus 5の63点とClaude Fable 5の62点が位置する。

公式発表が示した比較表の主な項目は次の通り。他社モデルの値は自己申告または公開済みの結果を用いたと注記されている。

ベンチマークGrok 4.6Grok 4.5GPT-5.6 SolFable 5 Max
AA Intelligence Index61566162
GDPVal-AA v21753152617281741
AA-Briefcase1577131315021574
CursorBench v3.269.9%66.7%67.2%70.5%
DeepSWE v1.165.9%54%73%70%
FrontierCode v1.1(Extended)61.3%56.6%60.6%63.6%
Terminal-Bench v3.026%15.7%34.6%34.1%
Harvey LAB(Vals)15.8%12.9%2.5%11.3%

コーディング系の指標では上位モデルに届かない

DeepSWE v1.1は65.9%で、GPT-5.6 Solの73%に7.1ポイント届いていない。ターミナル操作を測るTerminal-Bench v3.0は26%で、Solの34.6%との差は8.6ポイント。Grok 4.5の15.7%からは大きく伸ばしたが、首位との距離は残った。

一方、知識作業を評価するGDPval-AAは1753で、公式の比較表では首位に立つ。ただしArtificial Analysisは、この評価をClaude Opus 5に次ぐ値と位置付けており、信頼区間が重なるモデルもあるとしている。単一の数値だけで優劣を断定できない。

長期タスクではターン数と入力トークンが少ない

長期のエージェント型知識作業を測るAA-Briefcaseで、Grok 4.6は平均で約53ターン・入力約5億トークンで評価を終えた。Claude Opus 5は約103ターン・入力約20億トークンを要しており、入力トークン量は約4分の1だ。

1タスク当たりの実測コストは0.84ドル。Artificial Analysisは、同じコストのKimi K3と比べてGrok 4.6の総合指標がわずかに高いとしている。

料金体系と応答速度の実測値

公開料金の入出力単価は前世代から据え置かれた。ただし据え置きの対象は非キャッシュのトークンに限られ、キャッシュ入力は値上げされている。

非キャッシュの入出力単価は前世代と同額

20万トークン未満のプロンプトでは、入力100万トークン当たり2ドル・出力100万トークン当たり6ドルとなる。非キャッシュの入出力料金はGrok 4.5と同額だ。

Claude Opus 5は入力5ドル・出力25ドル、GPT-5.6 Solは入力5ドル・出力30ドル。公開料金の出力単価で比べると、Grok 4.6は両モデルより低い。

キャッシュ入力は約67%の値上げ

20万トークン未満では、キャッシュ入力が100万トークン当たり0.30ドルから0.50ドルへ上がった。値上げ率は約67%となる。

20万トークン以上では、入力4ドル・キャッシュ入力1ドル・出力12ドルが適用される。Grok 4.5の長文向けキャッシュ入力は0.60ドルだったため、こちらも約67%の上昇だ。

プロンプトが20万トークン以上になると、リクエスト内の全トークンが長文向けの料金で計算される。表示上の単価が同じでも、文脈量とキャッシュ利用の比率によって請求額は変わる。

初回応答は比較クラスの中央値より長い

Artificial Analysisの8月13日閲覧時点の計測では、出力速度は毎秒65.5トークンだった。同社が設定する比較クラスの中央値は毎秒66.0トークンで、出力中の速度は中央値に近い。

最初のトークンが返るまでの時間は31.18秒で、比較クラスの中央値は2.86秒だった。この値はライブ計測のため変動する。人が対話的に使う場面では、出力速度だけでなく初回応答までの時間も条件になる。

τ³-Bankingと総合指標では測定対象が異なる

τ³-Bankingの50.7%はpass@1の値

金融分野の顧客対応を模したτ³-Bankingで、Grok 4.6は50.7%を記録した。Artificial Analysisの公開時点では、Qwen3.8 Maxの51.3%に次ぐ2番手だった。

この評価は、文書群を参照しながらツールを使う金融顧客対応タスクのpass@1を測る。50.7%という値を、実際の顧客対応の半数が失敗するという意味へ直接読み替えることはできない。

総合点・知識作業・コーディングで結果が分かれた

Grok 4.6は総合指標でGPT-5.6 Solと並び、GDPval-AAやAA-Briefcaseでも上位に入った。一方、コーディング系のDeepSWE・Terminal-Benchでは上位モデルに届いていない。

測定対象が異なる以上、一つの順位を別の用途へそのまま当てはめることはできない。料金も同様で、非キャッシュの入出力単価は据え置かれたが、キャッシュ入力は値上がりした。50万トークンの文脈を使うなら、20万トークンを境にした料金体系まで含めた比較が要る。

※出典:Introducing Grok 4.6(SpaceXAI) / Grok 4.6(SpaceXAI Docs) / Release Notes(SpaceXAI Docs) / Pricing(SpaceXAI Docs) / Priority Processing(SpaceXAI Docs) / Grok 4.6 returns SpaceXAI to the intelligence frontier and leads on cost efficiency(Artificial Analysis) / Grok 4.6 (high) - Intelligence, Performance & Price Analysis(Artificial Analysis) / τ³-Banking Benchmark Leaderboard(Artificial Analysis) / Claude pricing(Claude Platform Docs) / GPT-5.6 Sol Model(OpenAI API)

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