採用動画の成功事例10選|成果が出た理由と制作のポイントを解説

※本記事は2026/07/12時点での情報を基にしており、閲覧時点では内容や状況が変わっている可能性があります。

採用動画を導入したいと考えたとき、「実際にどのような動画が成果を出しているのか」は、初めに知りたいポイントではないでしょうか?

ただし、再生回数が多い動画が採用成果に直結するとは限りません。スカウトメールの既読率を0%から70%に改善した20名規模の企業もあれば、100秒のコンセプトムービーで採用ブランディングに成功した大手もあります、成果の出し方は、企業の課題や規模によって異なるものです。

そこで本記事では、仕事内容の伝達・雰囲気の訴求・不安解消・認知拡大の4つの目的別に、10社の成功事例を紹介し、成果につながった理由と制作時のポイントを解説します。ぜひ、自社の採用動画の参考にしてみましょう。

採用動画で成果が出る企業に共通する3つの条件

成果につながる採用動画の設計要点

成功事例を見る前に、成果を出している企業の共通条件を3つ整理します。先にフレームを把握しておくと、各事例を自社と照合しやすくなるでしょう。

1つ目は、動画の目的が採用課題から逆算されている点です。応募数を増やすのかミスマッチを減らすのかで、有効な動画の型は変わります。

2つ目は、映像品質ではなく候補者が知りたい情報で構成している点です。moovy社の調査では、応募見送り理由の上位に「自分向けでないと感じた(35.7%)」「盛っている印象(29.0%)」が並んでいます。伝えるべきは演出ではなく仕事内容や職場の実態でしょう。

3つ目は、公開後の活用先まで設計することです。本記事で定量的な成果を確認できたテクノワークスとノバシステムの事例では、動画を制作するだけでなく、スカウトメールや選考途中の案内など具体的な接点で活用していました。

※出典:採用動画トレンド調査2025(moovy)

【目的別】採用動画の成功事例10選

採用動画の成功事例を、動画の目的別に4つのカテゴリに分けて紹介します。仕事内容の伝達・雰囲気の訴求・不安解消・認知拡大のそれぞれで成果を出した企業について、動画の概要・成果・成功のポイントを整理しました。自社の採用課題と照らし合わせながら、参考になる事例を見つけてください。

仕事内容・業務の流れを伝える動画の事例(3選)

仕事のリアルが伝わる採用動画

仕事内容や1日の業務の流れを具体的に映すことで、入社後のイメージギャップを減らした事例を紹介します。この型は情報の正確さと具体性が成果の鍵であり、ナレーション主体の構成とも相性がよい型です。

Sky株式会社(ソフトウェア開発・約3,200名)

営業・SE・AIエンジニアなど職種別に「社員の1日」密着シリーズをYouTubeで展開しています。出社から退社までを追うドキュメンタリー形式に、ポップなテロップと自然な会話を交えた構成が特徴です。

求職者が自分に近い職種の社員を探し、具体的な業務内容をイメージできる設計であり、複数職種の採用を同時に進める企業にとって参考になるでしょう。

全日本空輸(ANA)(航空運輸・約14,000名)

客室乗務員の出社から退勤までを完全密着するドキュメンタリー動画を、採用専用YouTubeチャンネル「BLUE SKY NEWS」で公開しています。

制服への着替え、クルーミール、出発前ブリーフィングなど普段は見られない裏側をそのまま映し、憧れと具体性を両立させました。パイロットや整備士など職種別にシリーズ展開し、採用情報を体系的に動画化している点も特徴的です。

豊友工業株式会社(精密板金加工・中小企業)

製造現場で働く女性社員のインタビューと作業風景を組み合わせた採用動画です。製造業に対する「男性中心」のイメージを覆す構成で、採用ターゲットの幅を広げることに成功しています。

自然な語り口のインタビューにより入社後の働き方が具体的に伝わり、大規模な撮影設備を使わなくても制作できる点は中小企業にとって参考になるでしょう。

※出典:Sky社員の1日(営業編)(Sky株式会社 YouTube) / ANAのCA1日密着(BLUE SKY NEWS YouTube) / 社員インタビュー動画(豊友工業 YouTube)

職場の雰囲気や社風が伝わる動画の事例(3選)

社員のリアルな魅力と社風が伝わる動画事例

職場の日常風景や社員の人柄を映し、求職者の共感や信頼感の獲得を狙った事例です。前述の調査で「信用しきれない・盛っている印象」が応募をためらった理由の上位に入っているため、実態と乖離しない表現が重要になります。

マルコメ株式会社(食品製造・約500名)

研究開発職で内定を得た社員が営業へ転身し奮闘する姿を、テレビのバラエティ番組のような演出で約7分にまとめた採用動画です。

ナレーションやテロップにユーモアを効かせた構成で長尺でも飽きさせず、「味噌メーカー=保守的」という先入観を覆す自由な社風を伝えることに成功しています。ワンキャリアをはじめ複数のメディアで「面白い採用動画」の代表例として繰り返し紹介されました。

デルタ工業株式会社(自動車部品製造・約1,300名)

開発部門と製造部門の社員がラップバトル形式で互いの不満をぶつけ合うという、意外性のある採用動画です。TBSテレビ「Nスタ」やRCCテレビでも紹介され、大きな話題を集めました。

部門間の対立をあえてオープンに描くことで風通しの良さを印象付け、ラップという表現形式がSNSでの自然な拡散につながっています。

株式会社テクノワークス(電気工事の設計・施工管理・約20名)

社内の雰囲気や社員の人柄を伝える縦型ショート動画を6本制作し、ターゲット別(未経験層・ベテラン層・即戦力層)に出し分けた事例です。スカウトメールに動画を添付した結果、ベテラン向けスカウトの既読率が0%から70%に、返信率が0%から7.1%に改善しました。

半年間で5名の採用につながり、うちハイクラス人材3名がスカウト動画経由でした。動画を「作って終わり」にせず、転職フェアのブース・チラシのQRコード・採用サイトなど全接点に配置した運用設計が成果を支えています。

※出典:新卒採用動画 社員紹介(マルコメ公式 YouTube) / テクノワークス導入事例(moovy) / 公式ニュース(デルタ工業)

応募前の不安や疑問を解消する動画の事例(2選)

応募前の不安や疑問を解消する工夫

選考の進め方や入社後の研修内容、福利厚生の実態といった「聞きにくいけど知りたい情報」を動画で開示する事例です。ノバシステムでは、最終面接前の動画送付と内定承諾率の改善が報告されています。

株式会社セガ(ゲーム・エンタテインメント・約3,400名)

独自の新卒研修制度の内容と成長過程を紹介する動画を、公式就活チャンネル「セガ公式就活チャンネル」で展開しました。新入社員が企画をプレゼンする場面やフィードバックを受ける場面をリアルに映すことで、「入社後に何が待っているか」を具体的に伝えています。

会社説明会・職種紹介・研修紹介・社員インタビューを体系的にシリーズ化し、応募前の不安を動画で先回りして解消する仕組みを構築した事例です。

ノバシステム株式会社(業務系システム開発・500~1,000名未満)

社員5~6名が登場するショート動画を制作し、求職者が社員と疑似的に対話する体験を提供しています。SIerという「仕事内容が見えにくい業種」の課題に対し、文章ではなく動画で社員の人柄を直接伝える設計としました。

説明会や選考の特典として限定公開する運用を取り入れた結果、内定承諾率が30%から50%に改善しています。最終面接前にメールで動画を送付し求職者の緊張を軽減する導線設計も、承諾率向上に貢献したと考えられます。

※出典:ノバシステム導入事例(moovy)

認知拡大と母集団形成につながった動画の事例(2選)

話題化で広げる採用動画の力

企業の認知度を広げ、採用の母集団そのものを拡大する目的で制作された事例です。SNSやYouTubeでの拡散力が求められるため、企画の独自性と配信プラットフォームの選定が成否を左右します。

住友林業株式会社(住宅・建築・林業・約5,200名)

「3年目の面接」と題し、入社3年目の社員が木々と向き合いながら仕事への想いを語る100秒のコンセプトムービーです。「面接」の立場を逆転させるという独創的な設定が視聴者の記憶に残り、複数の採用動画まとめ記事で繰り返し成功事例として引用されています。

100秒という短尺の中にユーモアと静かな熱意を凝縮し、住友林業の「人と木」という事業の本質を自然体で伝えた構成が高く評価されました。

株式会社川邊組(土木工事・15名・大分県)

土木工事の動きと筋肉エクササイズを融合した求人ムービー「レッツ!ドボクサイズ!」で、YouTubeで10万回以上の再生を記録しました。従業員15名の企業としては異例の認知拡大であり、西日本新聞や日刊建設工業新聞など複数メディアでも紹介されています。

「肉体労働=ネガティブ」のイメージを「筋肉エクササイズ=ポジティブ」に転換する発想の逆転と、実際の工事現場で社員自身が出演するリアリティの両立が拡散の要因です。

※出典:「3年目の面接」住友林業 新卒採用 100秒ムービー(YouTube) / レッツ!ドボクサイズ!(川邊組 YouTube)

成功事例から見える5つの共通ポイント

採用動画の成功事例から導き出した共通ポイント

ここからは、紹介した10社の事例を横断して分析し、成果につながった共通のポイントを5つに整理します。個別の事例から学べる内容はそれぞれ異なりますが、成功企業には共通する行動パターンが浮かび上がりました。自社で採用動画を企画する際のチェックリストとして活用してください。

目的とターゲットを最初に固めている

成果を出した企業に共通する第一のポイントは、「誰の・どのような判断を・どの段階で」支援する動画なのかが明確になっている点です。新卒と中途では候補者の検討プロセスが異なり、採用課題(母集団不足・ミスマッチ・内定辞退)によって効く動画の型も変わります。

採用課題の特定→動画の目的設定→コンテンツ設計の順に整理すると、制作後に成果を測りやすくなります。「中途エンジニアの内定辞退を減らすために、開発チームの働き方を見せる」のように目的を1つに絞り、対応する指標を決めておくことが出発点です。

候補者が知りたい情報を中心に構成している

2つ目のポイントは、企業側が伝えたい情報ではなく、候補者が比較検討時に知りたい情報を軸にしている点です。

前述のmoovy社の調査では、応募を見送った・ためらった理由の上位は「自分向けでないと感じた(35.7%)」「信用しきれない・盛っている印象(29.0%)」でした。調査対象は、直近1年間に就職・転職活動を行い、採用動画を1本以上見た20~40代の345名です。この範囲では、仕事内容・職場の日常・待遇といった判断材料を具体的に示す重要性がうかがえます。

採用動画を「映像作品」としてではなく、候補者の意思決定を支援する情報資産として設計する視点が、成功企業に共通する考え方です。

※出典:採用動画トレンド調査2025(moovy)

冒頭で動画の内容を明示する

3つ目は、冒頭で視聴を継続させる構成上の工夫です。エン転職の調査によると、採用動画で好まれる長さは1分~3分未満が中心帯と報告されています。限られた時間の中で情報を伝えきるには、冒頭の設計が欠かせません。

動画の冒頭で「この動画を見ると何が分かるか」を明示すれば、視聴者が自分に必要な情報か判断しやすくなります。「入社3年目社員のリアルな1日」「面接では聞きにくい質問への回答」のように、内容が伝わるタイトルや導入を早い段階で示す方法が考えられます。

※出典:転職と採用動画に関するアンケート 2025(エン転職)

採用フェーズに合わせて配信先を変えている

4つ目は、動画の制作だけでなく配信先の選定を戦略的に行っている点です。moovy社の調査では、採用動画の視聴場所としてYouTube(41.2%)と企業の採用Webサイト(40.3%)が拮抗しており、視聴タイミングは比較検討段階(58%)が最も多いと報告されています。

認知拡大型はSNSやYouTube、仕事内容理解型は採用ページ、不安解消型は選考途中のメールというように、目的に応じて配信先を選べます。テクノワークスとノバシステムの事例でも、スカウトや選考途中など候補者との接点に合わせて動画を配置していました。

※出典:採用動画トレンド調査2025(moovy)

公開後に数値を確認して改善している

5つ目は、動画の公開をゴールとせず、改善サイクルの起点と位置づけている点です。

公開後は、視聴完了率・採用ページ遷移率・応募開始率など、動画の目的に紐づくKPIを確認します。数値が想定を下回った場合は、サムネイル、冒頭部分、配信タイミングや配信先を見直します。確認期間は応募数や採用サイクルによって異なるため、公開前の基準値と比較できる形で記録することが重要です。

採用動画の種類と費用相場の目安

採用動画の制作費用は、動画の種類・尺・制作方法によって大きく異なります。ここでは代表的な種類ごとに費用の目安を整理しました。自社の予算感と照らし合わせて、現実的な選択肢を絞り込む際の参考にしてください。

種類内容費用相場備考
社員インタビュー社員が仕事内容ややりがいを語る30万~100万円撮影人数や撮影場所で変動
1日密着・業務紹介社員の1日を追い仕事の流れを見せる30万~80万円撮影場所や拘束時間で変動
コンセプトムービー企業の理念や世界観を映像で伝える100万~300万円演出や撮影規模によって500万円を超える場合もある

※費用は制作会社・条件によって変動します。複数社から見積もりを取るとよいでしょう。

※出典:採用動画の相場・費用(むびるプラス) / 採用動画の費用相場(VIDEO SQUARE)

テンプレート型サービスや内製を組み合わせると、外注範囲を絞れる場合があります。既存の採用ブログ・FAQ・社員インタビュー記事を台本の素材として活用することも、企画工数を抑える方法の一つです。

成功事例に学ぶ採用動画の始め方3ステップ

採用動画を動かす実践プロセス

成功事例に共通するポイントを踏まえた上で、自社で採用動画を始めるための具体的な3ステップを紹介します。大がかりなプロジェクトとして構える必要はありません。まずは採用課題の整理から入り、小さく作って検証しながら改善を重ねる進め方が、中小企業にとって現実的なアプローチです。

ステップ1|採用課題の棚卸しと動画の目的設定

最初のステップは、自社の採用課題を整理することです。現在の課題が「応募数の不足」なのか「応募の質のばらつき」なのか「内定辞退の多さ」なのか「早期離職」なのかによって、優先すべき動画の型が変わります。

例えば応募の質にばらつきがある場合は、仕事内容理解型の動画で「この仕事が自分に合うか」を候補者自身に判断してもらう設計が優先候補になるでしょう。ミスマッチによる早期離職が課題なら、不安解消型の動画で選考中の疑問に先回りして答える形が有効です。目的を1つに絞ることで、動画の構成と評価指標が明確になります。

ステップ2|自社に合った動画の種類と制作方法の選定

目的が定まったら、動画の種類(インタビュー・1日密着・FAQ・コンセプトムービーなど)と制作方法(外注・内製・AI活用の組み合わせ)を決めましょう。

予算が限られる場合は、既存の採用テキスト資産を活用する方法があります。求人票の補足情報・社員インタビュー記事・よくある質問などを台本の素材にすれば、ゼロから情報を集める工程を減らせます。まず1本を制作し、効果を検証してから展開範囲を広げる進め方も有効な選択肢です。採用動画の制作手順については、関連記事で詳しく紹介しています。

ステップ3|配信・効果測定・改善サイクルの設計

動画が完成したら、配信導線と効果測定の仕組みを先に設計してから公開します。採用ページへの埋め込み・求人媒体への掲載・SNSでの発信など、動画の目的に合った配信先を選定してください。

効果測定では、動画の目的に紐づくKPIを設定します。仕事内容理解型であれば採用ページ遷移率、不安解消型であれば応募完了率というように、公開前の基準値と比較できる指標を決めます。十分な閲覧数や応募数が蓄積した段階で数値を確認し、結果に応じてサムネイル・冒頭部分・配信タイミングを調整します。

採用動画の成功事例でよくある疑問(FAQ)

採用動画の導入を検討する際に、よく寄せられる疑問をまとめました。自社の状況に近い質問があれば参考にしてください。

Q. 中小企業でも採用動画で成果は出せますか?

A. 事業規模にかかわらず、目的と対象者を絞れば採用動画を活用できます。厚生労働省のデータでは、令和4年3月卒の大卒者の3年以内離職率は、従業員5~29人規模で52.0%、30~99人規模で41.9%でした。ただし、この統計だけから採用動画の効果が中小企業ほど大きいとは判断できません。まずは仕事内容や職場環境など、候補者から繰り返し質問される情報を1本の動画にまとめ、反応を確認する方法があります。

※出典:新規学卒就職者の離職状況 令和4年3月卒(厚生労働省)

Q. 採用動画の効果が出るまでにどのくらいかかりますか?

A. 効果を判断できる時期は、動画の閲覧数、配信先、応募数、採用サイクルによって変わります。視聴数や視聴完了率は公開直後から確認できますが、応募数や内定承諾率への影響を判断するには、比較に足りる件数が必要です。公開前の基準値を記録し、同じ期間・同じ配信条件で比較してください。

Q. 採用動画で失敗しやすいパターンは何ですか?

A. よくある失敗パターンは3つあります。1つ目は「目的を決めずに制作を始め、何を伝えたい動画か分からなくなる」ケースです。2つ目は「企業側が伝えたい情報に偏り、候補者が比較検討時に知りたい情報が不足している」パターンで、前述の調査で応募見送り理由の上位に挙がった問題にも直結します。

3つ目は「動画を公開しただけで、配信導線の整備や効果測定の設計をしていない」状態です。いずれも本記事で紹介した3つの成功条件の裏返しであり、目的設定・候補者視点での構成・運用サイクルの3点を意識すれば回避できるでしょう。

採用動画の成功事例を自社に活かすために

採用動画で成果を出すカギは、映像の完成度ではなく「候補者が知りたい情報を、適切なタイミングと場所で届ける設計」にあります。本記事の10社の事例と5つの共通ポイントを参考に、まず自社の採用課題を整理し、1本目の動画の方向性を決めるところから始めてみてください。

自社の採用コンテンツにどのような動画化の余地があるかを把握したい方は、情報資産ミニ診断をご活用ください。テキスト資産の棚卸しから、動画化の優先順位と期待効果をお伝えします。

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