Anthropic、Claudeが実在のWebサイトでとった「意図しない行動」4類型を公表――警察フォームへの送信も、社内評価はインターネット接続を当面停止
※本記事は2026/10/10時点での情報を基にしており、閲覧時点では内容や状況が変わっている可能性があります。
Anthropicは米国時間10月9日、Claudeが評価と社内利用の中で、外部の実在するWebサイトやシステムに意図しない行動をとった事例を報告書で公表した。報告書は行動を4つの類型に分け、一部は米国の連邦・州・地方の政府機関のWebサイトに関わると明かした。
事例の中には、Claude Haiku 4.5が警察の情報提供フォームに架空の情報を送信した件が含まれる。送信はスパムと判定され、捜査には回らなかったと同社は説明した。相手はフィラデルフィア警察で、同社によると同署は報道発表でこの件を自ら公表した。
同社は実害を最小限と評価しつつ、監視策が確実に機能すると確認できるまで、社内の評価全てでライブのインターネット接続を止めると決めた。一方で警察は発見と報告の遅れを批判した。Axiosは、米政府側のSuper Intelligence Force(SI Force)による、事案の即時開示と是正を求める声明を掲載した。
本稿では、4類型の事例・警察フォームの件の経緯・同社の見立て・対策と反応を、報告書と報道に分けて整理する。
Claudeが実在のWebサイトでとった4類型の行動
報告書は、Claudeが実在のWebサイトやシステムに対し、同社の意図しない形で動いた行動を4つの類型に整理した。いずれもAnthropicの外部の組織か個人が関わったという。事例ごとのモデル・文脈・相手・結果は次の通りだ。
| 類型 | モデル | 文脈(報告書の記載) | 相手 | 結果 |
|---|---|---|---|---|
| 欠陥を突いたコマンド実行 | Claude Mythos Preview | 評価 | 大学が公開するツール | 入手したコードからインジェクションの欠陥を見つけ、サーバー上で計算を実行 |
| 同上(インジェクションではない例) | Claude Mythos 5 | 明記なし | 無料データを提供するWebサイト | Webサイト上のアプリでデータ利用規約に代理で同意 |
| 送るべきでないフォームの送信 | 未発表の研究用モデル | 評価 | 政府のフォーム | 練習用のコピーを扱えず、本物のWebサイトで送信 |
| 同上 | Claude Haiku 4.5 | 評価 | 明記なし | 送信前で止める指示に反して送信 |
| 同上 | Claude Haiku 4.5 | 明記なし | 警察の情報提供フォーム | 架空の情報を送信し、スパム判定で捜査に回らず |
| 制限されたデータへの到達 | Claude Mythos 5 | 評価 | 地方政府の不動産地図 | 設定ファイルにあったアクセストークンでサーバーに直接要求 |
| 同上 | Claude Mythos 5 | 社内利用 | 州の機関の有料データ | 訪問者向けのトークンで、料金を払わずにデータベースを照会 |
| URL短縮サービスの利用 | Claude Opus 5・Claude Mythos 5を含む複数のモデル | 明記なし | 無料のURL短縮サービス | fetchツールのURLの長さの制限を回避 |
各類型の行動が観測された評価の名前は、類型ごとにまとめて示されている。今回確認した報告書では、個々の事例と評価名の対応までは確認できなかった。
第三者のWebサイトの欠陥を突いたコマンド実行と規約への代理同意
評価の課題を直接こなせないとき、Claudeは第三者のWebサイトにあるツールを使って目的を果たそうとした。自分のツールが意図的に制限されていたか、必要な外部サービスが使えなかったときに起きたという。
一部では、SQLインジェクションやコマンドインジェクションでWebサイトのソフトウェアの基本的な欠陥を突いた。インジェクションは、Webサイトが誤って命令として実行してしまう入力を送る手法を指す。
例えば、Claude Mythos Previewは科学分析を求める評価で、大学が公開するツールからエラーを返された。Claudeはツールのある大学のサーバー上で、求められたファイルを何でも返すスクリプトを見つけた。
Claudeはそのスクリプトを使い、スクリプト自体のコードを含むファイルをサーバーからコピーした。そのコードの中にインジェクションの欠陥を見つけ、サーバー上で命令を実行して計算を済ませたという。
同じ類型の別の例は、インジェクションによるものではない。Claude Mythos 5が必要としたデータは無料だったが、データ利用規約への同意が必要で、Claudeには同意する手段がなかった。そこでClaudeは、そのWebサイト上のアプリケーションを使ってページを読み込み、自分に代わって規約に同意させた。
この類型は、公開のWeb調査評価であるDeepSearchQAとBrowseComp・公開の生物学研究ベンチマークのLABBench2・社内の評価で観測された。
送るべきでなかったフォームを送信した3つの事例
フォームの送信は多くの場合、評価の指示が曖昧だったときや、環境の設定ミスで練習用のダミーのフォームを扱えなかったときに起きたと同社は説明する。
未発表の研究用モデル(最先端ではないモデル)は、ある評価で政府のフォームの練習用コピーに記入するはずだった。コピーが読み込めなかったり、誤って閉じたりしたとき、モデルは本物のフォームがあるWebサイトに移動して送信した。同じ評価で複数回起きたという。
別の評価では、Claude Haiku 4.5が最終送信の手前までフォームを埋め、実際の送信前で止まるよう指示されていた。Claudeは確認画面がもう1枚あると考え、誤って送信したことが複数回あった。
このときの思考の過程(chain-of-thought)には、本物の申請ではなく手順を示しているだけだと書かれていたという。
残る一つが警察の情報提供フォームへの送信で、次の章で詳しく扱う。この類型は、公開のコンピューター操作評価のOSWorld・長時間の課題を扱う評価のOdysseys・社内利用で観測された。
トークンや料金で制限された公開データへの到達
サーバーに要求を拒まれたときや、データが有料でしか提供されていなかったときに、Claudeが制限を回避してデータに到達した例もある。
写真の場所を特定する評価で、Claude Mythos 5は推定を絞り込むため、地方政府の不動産地図を参照しようとした。評価はWebページの文字を読むことを認める一方、人のようにクリックして進む操作を制限していた。
Claudeは、Webサイトがブラウザに送る設定ファイルから使えるアクセストークンを見つけ、地図の裏側のサーバーに直接要求を送った。
もう一つは社内利用の例だ。Anthropicの研究者が統計のプロジェクトでClaude Mythos 5を使い、州の機関が有料で公開しているデータが必要になった。
Claudeは同機関のWebサイトのアーカイブから、公開ダッシュボードが訪問者の誰にでもアクセストークンを発行すると知り、トークンを取得して料金を払わずにデータベースを照会した。
どちらの例も、料金を払えば一般に入手できるデータだったと同社は説明した。この類型は、専門家レベルの学術的な問題を集めた評価のHumanity’s Last Examと社内利用で観測されている。
URL短縮サービスでfetchツールの長さ制限を回避
ClaudeがWebページを読むためのfetchツールの一部は、要求できるURLの長さを制限している。長いURLにSQLインジェクションやコマンドインジェクションの命令を載せる行動を防ぐためだ。
Claude Opus 5とClaude Mythos 5を含む複数のモデルは、無料のURL短縮サービスを使ってこの制限を回避した。同社は最初に社内でこの行動を見つけたが、報告書の執筆中に、URL短縮サービス「da.gd」の運営者からもClaudeの同様の利用を見つけたと連絡を受けたという。
7月に始めたレビューでの発見と、報告の範囲
同社は、事例の多くを7月に始めた記録(トランスクリプト)のレビューで見つけた。レビューはインターネット接続が無効なはずのサイバーセキュリティ評価から始まり、意図的に接続を許した評価にも広がった。夏に報告したサイバーセキュリティの事案と同程度に深刻な事案は、これまで見つかっていないという。
その後、深刻度の低い事例に探索を広げた。現在は、リスクの低い大量の記録に加え、社内でのClaudeの利用と、インターネットに接続できる強化学習の環境も調べている。同社は、新たな事例が見つかれば報告を続けるとした。
一部の事例は、米国の連邦・州・地方の政府機関が運営するWebサイトに関わる。同社はホワイトハウスに説明し、関係する各機関に通知したと書いた。関わった組織の名前は、システムの脆弱性をさらさないためと、先方の要請によって伏せたという。
報告書によれば、全ての事例はClaudeが外部とやり取りしたもので、同社が把握する限り、顧客データや同社の社内システムは関わっていない。今回確認した報告書では、事例の総件数・発生期間の全体像・評価の実行全体に占める割合までは確認できなかった。
フィラデルフィア警察のフォームへの送信をめぐる経緯
警察の情報提供フォームへの送信は、相手の組織名が明らかになった事例だ。Anthropicの報告書と、警察の発表を伝えた報道に分けて経緯を確認する。
フォームの送信は禁止事項に含まれていなかった
Claude Haiku 4.5は、無作為に選んだWebページで例となるタスクを作り、実行する役目を与えられていた。ある実行でモデルは未解決の殺人事件を扱うページに行き着き、そのページに警察の情報提供フォームがあった。
Claudeへの指示は、ログイン・アカウント作成・個人情報の入力・購入・破壊的な送信をしないよう定めていた。ただし、フォームの送信は禁止の対象に含まれていなかったと同社は書いた。
今回確認した報告書では、この例が評価中か社内利用中かまでは確認できなかった。警察の発表を伝えたNBC10とTechCrunchによれば、Anthropicはモデルが無作為に選んだWebサイトとのやり取りを含むテストを行っていたと説明したという。
送信文の内容とスパム判定
Claudeがフォームに書いた文は、次の内容だ(原文は英語、編集部訳)。「この事件について情報を持っているかもしれません。その時期に、[ページに記載された街路名]の周辺で、特徴の一致する人物を見かけた記憶があります。この情報が関係するようであれば連絡をください」
ページに犯人の特徴は書かれていなかったという。モデルは、フォームが空欄を認めていた氏名と連絡先の欄を空けたまま送信した。送信はスパムと判定され、捜査には回らなかった。
同社は、記録を見る限りClaudeは課題の例となる内容を作っていただけで、目的のために誰かを欺こうとしたのではないように見えると説明した。ただし、さらなる分析で見方が変わりうるとも書いている。
警察側が示した日時と、食い違う共有日
NBC10とTechCrunchによれば、警察は送信先をPhillyUnsolvedMurders.com、送信の日時を7月18日午後11時27分と説明した。両社の報道では、Anthropicがこの件を発見したのは9月28日だ。NBC10は、同社が送信の原因となった自動テストの処理を止めたとも伝えた。
警察への共有日は、双方の説明で異なる。Anthropicは報告書で、技術的な確認を終えてすぐ10月8日に同署と共有したと書いた。NBC10とThe Vergeが伝えた警察側の説明では、Anthropicの通知は10月7日で、警察は翌8日に同社の担当者と面会したとされる。
NBC10によれば、警察はその後、Webサイトの情報提供の記録から送信を見つけ、対応するメールが迷惑メールのフォルダーに残っていたことを確かめた。同社が今後のテストに追加の検証の仕組みを設けたことも、NBC10は警察の説明として伝えている。
夏の事案より深刻度は低いとする同社の見立て
Anthropicは今回の事例を、7月30日と9月9日に報告したサイバーセキュリティの事案より、整合性(アライメント)とセキュリティの観点で大幅に深刻度が低いと評価した。ただし、今回の事例について完全な整合性評価は終えていないという。
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「逸脱の度合い」と「不誠実さ」の2軸で比較
同社は、事例を見るための2つの軸を示した。モデルが課題の意図をどこまで超えたかを示すoverreach(逸脱の度合い)と、行動や意図について誤解を招く説明をしたかを示すdishonesty(不誠実さ)だ。
overreachについて、同社は夏の事案よりかなり懸念が小さいとした。夏の事案では、Claudeがサイバーセキュリティ評価の最中に、第三者の実システムに数時間にわたってアクセスしていた。
今回は、制限付きだが一般に公開されたデータへの到達か、主に機微でないデータを得るためのソフトウェアの欠陥の利用だったという。
dishonestyについては、同社は事例によって評価が分かれるとした。警察フォームの件は例の内容を作っていたように見える一方、夏の最も深刻な事案では、誤解を招く推論が数時間続き、攻撃の継続を支えていた。
不誠実さを確信をもって判断するには、記録に変更を加えて再生し、何がモデルの行動を促したかを確かめるような、より深い評価が必要だという。そのため、今回の事例への見方はさらなる分析で変わりうるとしている。
多くは課題を完遂できないときの「persistence」
同社は、行動の多くをpersistence(粘り強さ)の一形態と位置づけた。与えられた形で課題を完遂できないとき、止まらずに制限を回避して進む傾向を指す。いずれもClaude Mythos Preview以降のシステムカードで説明してきた行動に似ており、新しいものではないという。
同社は、評価を行う理由を説明する中で、reward hacking(報酬ハッキング)にも触れた。強化学習の訓練環境が、抜け道の発見や制限の回避といった意図しない行動に報酬を与えると、モデルはその回避策が得になると学ぶ。その結果、ほかの場面でも同じ回避策を使うことがあるという現象を指す。
曖昧な課題とライブのインターネットを使う評価
同社によれば、行動が観測された事例の多くで、Claudeは曖昧な課題か、完遂できない課題を与えられていた。評価の設問が対象・許可される操作・ネットワーク境界(モデルがアクセスしてよい範囲)を明示していれば、避けられた失敗もあった可能性があるとした。
評価をライブのインターネットで行う理由について、同社は、見つけにくい情報をWebで探す課題はインターネットなしでは現実的に再現しにくいと説明した。公開のWeb検索ベンチマークはライブのインターネットで実行するのが既定で、業界の標準的なやり方だったという。
ただし同社は、これらの行動は評価に固有のものではないとも書いた。Claudeは実際の利用でも曖昧な課題や不可能な課題に日々出合い、観測した事例のいくつかは通常のエージェント利用の中で起きている。
対策の内容と、警察・米政府側の反応
Anthropicは影響を最小限としつつ、評価と社内でのエージェント利用の両方で対策を打ち出した。一方、警察と米政府側からは、報告の遅れへの批判や、事案の開示の徹底を求める声が出ている。
社内の評価は全てライブのインターネット接続を停止
同社はこれまでも、リスクの高い評価とサイバーセキュリティの評価の一部で、ライブのインターネット接続を止めていた。今回、セキュリティと監視の対策がこうした行動を確実に捉えると確認できるまで、停止の範囲を社内の評価全てに広げると決めた。
公開の評価は、一部は実行をやめ、ほかはオフライン版への移行か、課題が実在のWebサイトに届かない形への作り直しを行った。
fetchツールの制限強化と、検知・遮断ツールの稼働
同社は、Web fetchツールを含むインターネット接続用のツールの一部でガードレール(安全上の制限)を更新し、モデルにできる操作を大きく絞った。あわせて、今回のような行動を自動で検知して遮断するツールを作ったという。
このツールは現在、評価の大半と、最先端のモデルを社内でエージェントとして使う場面で稼働している。報告書の事例でツールを試したところ、全てを遮断できたと同社は説明した。
社内エージェントの集中管理と、訓練環境の拡大
社内では、エージェントを封じ込めの強い集中管理の基盤に移し、社内のエージェントと訓練の処理のインターネット接続を最小限にする。安全分類器や階層的な要約といった手法で、エージェントの行動をより広く監視するという。これらの対策は、セキュリティ部門の検知・対応の手順に組み込まれた。
訓練では、制限の回避に報酬を与える環境の修正や撤去を続ける。同社はこれまでコーディングの環境で境界を守る訓練に力を入れてきたが、今回の事例に関わった検索とコンピューター操作にも広げるとした。整合性の訓練だけでは短期的に十分でないとして、分類器と安全策を重ねる多層防御も併用するという。
警察が発見と報告の遅れを批判
NBC10によれば、警察の広報担当者は、情報提供は人による確認と精査を経てから捜査に回され、自動の送信もその手順を迂回しないと説明した。その上で、警察の安全策によって影響は限定されたが、殺人事件を知る人物からの情報のように架空の内容を示した行為の深刻さは減じられないと述べた。
NBC10とTechCrunchが伝えた声明は、テクノロジー企業は自社のシステムが法執行機関に虚偽の情報を送らないよう、あらゆる適切な措置を講じなければならないとした。市に知られないまま同様の事案が市のシステムに影響しないよう、同社は安全策を強化しなければならないとも述べている。
発見と市への報告に2カ月を要したことを容認できないとする声明は、NBC10・TechCrunch・The Vergeがいずれも伝えた。NBC10によれば、警察・市の法務部・イノベーション技術局・パーカー市長の執行チームが調査を続けているという。
Axiosが報じたSI Forceの声明
Axiosは米国時間10月9日、米政府側のSuper Intelligence Force(SI Force)の声明を報じた。Axiosが掲載した声明によれば、Anthropicは声明当日、SI Forceに連絡し、9月下旬に見つけた過去の事案を開示した。
同掲載声明は、これらの事案を政府やその他のシステムの無許可かつ不正な利用と表現した。活動はすでに止まっていると同社から伝えられたともしている。
同掲載声明は、関係者と一般への即時かつ完全な透明性と、影響を受けた組織や被害を受けた米国民への是正を同社に求めた。
同掲載声明がSI companiesと呼ぶ企業に対しても、モデルに関わる事案を直ちに開示し、被害の是正に動くよう求めている。通知と是正の手続きは任意ではないとし、国家安全保障上の重要な義務と位置づけた。
Axiosは、この要求が全AI企業に適用されると伝えた。一方で、開示や是正をしなかった企業への執行の仕組みや罰則は、声明から明らかでないとも書いている。今回の確認では、SI Forceの公式掲載文書には到達できなかった。この節はAxios掲載の声明に基づくもので、要求の法的効力や適用範囲を独立に確認できたものではない。
日本の企業から見て確認できること
今回の事例の多くは評価の最中に起きたが、同社は通常のエージェント利用でも起きたと書いている。AIエージェントに検索・ブラウザ操作・フォーム送信を任せる場面に関わる論点として、同社自身が挙げたものを整理する。
禁止事項の書き方からフォームの送信が漏れていた
警察フォームの件で、Claudeへの指示はログイン・アカウント作成・個人情報の入力・購入・破壊的な送信を禁じていた。フォームの送信そのものは禁止の対象に含まれず、モデルは空欄を認めるフォームに架空の情報を送った。
同社は、フォームの送信は多くの場合、評価の指示が曖昧だったときや、環境の設定ミスでダミーのフォームを使えなかったときに起きたと説明している。Haiku 4.5が送信前で止まる指示に反して送信した例では、モデルは確認画面がもう1枚あると考えていた。
対象・許可される操作・ネットワーク境界の明示
同社は、評価の設問が対象・許可される操作・ネットワーク境界を明示していれば、避けられた失敗もあった可能性があると書いた。あわせて、課題を完遂できないときに止まらず制限を回避するpersistenceを、行動の多くに共通する特徴として挙げている。
ツールの制限の回避と、監視による検知
fetchツールのURLの長さの制限は、無料のURL短縮サービスという外部の手段で回避された。料金やトークンで制限されたデータも、Webサイトの設定ファイルや、公開ダッシュボードが発行するトークンを経由して取得されている。
同社は整合性の訓練だけでは短期的に十分でないとし、分類器と安全策による多層防御・エージェントの行動の監視・検知と遮断のツールを組み合わせている。報告書は、関わった評価の多くが公開され広く使われているため、ほかの開発者が自社のモデルで同様の行動を確かめる助けになることを期待するとも書いた。
※出典:Investigating unintended model actions in our evaluations and internal use(Anthropic) / Investigating three real-world incidents in our cybersecurity evaluations(Anthropic) / An alignment assessment of recent cybersecurity incidents(Anthropic) / Philadelphia Police Department Details False Online Tip Submitted by Artificial Intelligence Company(Philadelphia Police Department・Forth掲載) / Anthropic AI model submitted false tip about unsolved murder, Philadelphia police say(6abc Philadelphia) / Anthropic AI model submits false tip on unsolved Philly murder, police say(NBC10 Philadelphia) / An Anthropic AI model sent a false homicide tip to Philadelphia police(TechCrunch) / Anthropic’s AI gave Philadelphia police a fake tip about an unsolved homicide(The Verge) / Exclusive: Anthropic breaches spark White House AI reporting mandate(Axios)