NoLangがサービス業・IT向けスライドテンプレートを追加——「動画×スライド一気通貫」が業種別に広がる
※本記事は2026/04/19時点での情報を基にしており、閲覧時点では内容や状況が変わっている可能性があります。
4月18日、株式会社Mavericksは動画生成AI「NoLang」のスライド生成機能に、サービス業・IT企業向けのサンプルスライド5種を追加したと発表した。スライド生成機能そのものは4月5日に実装済みであり、今回の追加はそのコア機能を業種・業務ニーズ別に使いやすくするための業種別パッケージ整備の一環だ。
NoLangは2024年7月のリリース以来、テキストやPDF・PPTXファイル・WebサイトのURLを入力するだけで動画を自動生成できる日本発のサービスとして成長を続けており、2026年4月時点で登録ユーザー数は20万人、法人導入社数は80社を超えている。
4月5日のスライド生成機能追加によって、入力した資料からスライドを自動生成し、そのスライドをそのまま動画化するという一気通貫のフローが実現した。PDF書き出しに加え、法人プランではPPTXエクスポートにも対応しており、既存のOffice環境との連携も想定されている。
今回追加された5種のサンプルスライド
今回の発表でサービス業・IT企業向けに追加されたサンプルは以下の5種だ。
1. 自社サービス紹介スライド(営業用途)
自社サービス紹介スライドは、サービス概要・特徴・料金をまとめる営業用途を想定。サービス紹介PDFや料金表・ホワイトペーパーを投入すれば、営業提案資料のベースを自動生成できる。
2. セミナー・ウェビナースライド(登壇用途)
セミナー・ウェビナースライドは、業界トピックやサービス紹介をまとめる登壇用資料の生成に対応する。ホワイトペーパーや事業報告書、会社案内などを素材として使える。
3. 全社統一の営業スライド(担当別展開)
全社統一の営業スライド(担当別展開)は、共通の営業資料をベースに担当者別・顧客別に展開するニーズを想定した構成だ。本社が作成した標準資料を各担当が顧客に合わせてカスタマイズする際の工数削減を狙っている。
4. 採用説明スライド(採用現場向け)
採用説明スライドは、会社概要・募集要項・職種説明を整理する採用現場向けだ。募集要項や社内規程、会社案内などが投入素材として想定されている。
5. 社内研修スライド(部署別展開)
社内研修スライド(部署別展開)は、同一の研修コンテンツを部署ごとの業務・文脈に合わせて最適化して展開する用途に対応する。研修テキストや社内規程が投入素材として活用できる。
スライド+動画の一気通貫が効果的な理由
Mavericksが今回の発表で挙げた課題の背景は、資料作成コストの問題だ。同社が参照した営業現場の業務実態調査(2021年、営業・営業企画職400名対象)によれば、最も時間がかかる業務として「資料作成」が30.5%で最多を占め、1人あたり年間619時間・人件費換算で約167万円のコストが費やされているという。
さらに情報通信業における正社員の不足割合は76.3%に達し、IT人材の不足数は2030年に最大約79万人まで拡大するとの見通しも示している。少人数体制で営業・マーケティング・採用・研修を兼務せざるをえないBtoB企業が増える中で、資料作成が恒常的なボトルネックになっているという実情が、今回の機能整備の背景にある。
この文脈でNoLangのスライド生成機能が持つ価値は二層構造だ。第一に「既存資料を入れるだけでスライドが自動生成される」という入力コストの削減。第二に「作ったスライドがそのまま動画になる」という出力の拡張だ。
従来であれば、スライドを作った後にナレーションを録音し、動画編集ソフトで編集するという別工程が必要だった。この工程をAIが代替することで、「資料を作る」と「動画で届ける」が一つの作業フローの中に収まる。
ただし、この点は主にMavericks自身の発表に基づく機能説明であり、実際の生成品質や業務削減効果については、現時点では第三者による独立した検証が十分ではないことを留意しておく必要がある。
4月だけで複数業種への連続展開
今回のサービス業・IT企業向けサンプル追加を単発の機能更新として見るのは適切ではない。4月の動きを時系列で整理すると、その意図がより明確になる。
4月5日にスライド生成機能自体を実装し、4月9日にはコンサル・BPO・SIer向け、4月15日には建設業向け、4月16日には小売向け、4月18日にサービス業・IT企業向けを追加、同日20時01分には不動産向けも発表している。わずか2週間の間に、コア機能はそのままに業種別のサンプル・テンプレートを次々と整備するという横展開が繰り返されている。
この動きは「業種別パッケージによる市場分解戦略」として読み解くのが自然だ。同じAIエンジンを使いながら、業種ごとに「あなたの業界での使い方はこれです」という具体的なイメージを提示することで、潜在ユーザーが自分の業務に紐づけて検討しやすくなる。
資料作成の課題は業種を問わず共通しているが、「何を作るか」「どんな資料を入力に使うか」は業種によって大きく異なる。この差分を業種別テンプレートで埋めることで、導入検討のハードルを下げようという設計だ。
BtoB企業の資料担当者が注目すべき実務的な視点
NoLangのスライド生成機能をBtoB企業の実務担当者が評価する際に、押さえておくべきポイントが3つある。
1. 投入素材の質がアウトプットを左右する
投入素材の質が出力の質を左右するという点だ。AIが自動生成するスライドの精度は、投入する素材の整理度に大きく依存する。散漫な資料をそのまま入力しても、整理されたスライドが出てくるとは限らない。
既存の「ある程度整理された」サービス紹介PDF・料金表・研修テキストを素材として使うときに最も効果が出やすい構造になっている。
2. 「動画化」まで含めた業務フローの再設計
スライドから動画化までの一気通貫の価値を業務フローで確認することも重要だ。「スライドを作れるAI」と「スライドから動画を作れるAI」では用途の広がりが異なる。
定期的に更新が必要な研修動画・営業説明動画・採用動画のコンテンツを持つ企業にとっては、更新のたびに外注していたコストと時間が内製化される可能性がある。一方、動画化まで不要で「スライドだけ作れればいい」という用途では、他のツールとの比較検討が必要だ。
3. 法人プラン機能の必要性判断
法人プランの機能範囲を確認することも実務上の判断に関わる. PPTXエクスポートは法人プランの機能であり、無料・個人プランでは利用できない。社内でPowerPoint形式での編集・配布が前提になる場合は、法人プランの導入が前提となる。
「日本発の動画AI」が業務実装フェーズに入った意味
NoLangの業種別展開の速さは、日本発の生成AIプロダクトが「試してみる」フェーズから「業務の中に組み込む」フェーズへの移行を意識し始めていることを示している。
Anthropicのプロダクトがエンタープライズの開発・エージェント領域で注目を集める中、日本国内では中小企業・少人数チームの日常的な業務効率化というより身近な課題に対応するプロダクトの整備が進んでいる。
HumanX 2026でも語られたように「AIは十分に賢くなった。問題はあなたの組織がそれをどう使うかだ」という問いは、グローバルな最先端競争だけでなく、こうした実務ツールの普及においても本質的な問いとして機能する。
NoLangの業種別展開はその問いへの一つの実践的な答えだ。既存資料を入れれば業務用スライドと動画が出てくる仕組みを、業種ごとの具体的な業務シーンに紐づけて提示することで、導入を検討する担当者が「自分の仕事に使えるかどうか」を判断しやすくしている。
今後さらに業種カバレッジが広がれば、資料作成のAI代替が日本のBtoB現場で一般的な選択肢になるスピードが上がる可能性がある。
※出典:PR TIMES — 株式会社Mavericks「NoLang」スライド生成機能にサービス業・IT企業向けサンプル追加 PR TIMES — Mavericks、動画生成AI「NoLang」のスライド生成機能に教育業界向けサンプルスライドを追加 VOIX — Mavericksが動画生成AI「NoLang」にコンサル・BPO向けスライド機能を追加 CodeCamp — Mavericksが動画生成AI「NoLang」に建設業向けスライドサンプルを追加